一般募集エピソード

SNSとの付き合い方
わらにすがる想い

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 私は小学校に上がる頃からよく病院に通っていた。
「よくわからないが具合が悪い」子供はうまく伝えられないし、病院で検査をしても異常がないと言われ、母も困惑しただろうに根気強く受診を続けてくれた。
4年後、運良く必要な検査にたどり着き、治療が始まり体調不良は改善していった。だがその後も頭痛で頻繁に吐いたり、体調が悪くなると回復に一週間程かかる、そんな子供だった。
 大学に通うようになったある日、突然高熱がでて、その後も体調不良が続き緩やかに悪化していった。子供の頃から体調不良がよくあるので、その時は「いつものだ」と思いそのままの生活を続けた。受診のたび「検査して異常がないのはいい事」と言われたし、大丈夫だと自分に言い聞かせながら、時には泣きながら、社会人生活を送った。そうして私は動けなくなった。
 通常の検査をしても何も異常が無いなら特殊な病気?インターネットでひたすら検索を行う毎日。看護師の私は医療の知識が少しはある。それでも、症状を少しでも軽くできないか、と検索結果をみながらさらに検索を行う。検索を続けるしかない日々。医療的に正しいとは思えない内容のものもたくさんあった。【◯◯と共同開発!】【◯◯も認めた!】なんて書いてあるサプリメントも、効くか効かないか、半信半疑でも色々と試してみた。
わらにもすがる気持ちで、万が一にも効く可能性があるかもしれない。小さな期待をもっての試行錯誤。
 そんな中見つけたある患者会の紹介で今の主治医と出会うことができた。病名診断後、勧められて始めたSNSには私ととてもよく似た症状で情報を求める人たちがたくさんいた!交流する中で同じ課題を感じている仲間と啓発活動を行ったり、同じ地域に住む方と一緒に患者会を作り、今も活動をしている。相談できる場、相談先の紹介をしたり地元の患者さんとも繋がり交流している。
 ネット検索はすればするほど深みにはまり疲れ果ててしまう。正確な情報も掴みにくい。SNSでは検索範囲を絞り、模索してきた先人の仲間達を見つけやすい。私もわらより確かな小枝位になれたらと願い、SNSを続けている。希少な疾患は同病者と繋がれる機会が少ない。相談先がわからない人も多い。SNSはこうした私達にはとても重要な交流と情報交換の場だ。今のお仕事もSNSをしていなければ出会えなかった。そこで出会えた仲間もかけがえのない存在だ。

原作者

アカウント名:ゆき☃ME/CFS冬眠中@OriHimeパイロット ID:@yuki_cfs

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コメント

コメント

SNSの使い方として患者同士がいい形で繋がれる(患者会などのコミュニティに参加して適切な情報を得やすい環境に身を置ける)というメリットがあります。もちろん偏った情報を信じるグループの中でエコーチェンバーに陥るリスクにも注意が必要ですが、重要なエピソードであると思いました。

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