患者視点

歯科受診のタイミング

 人間、誰しも悩みを抱えている。私もその1人だ。近頃の悩みは、頻繁に歯が痛むこと。  むし歯かもしれない。でも、違うかもしれない。そう思い続けて何日か経ち、ついに痛み止めを飲まないと仕事に集中できず、さすがにまずいと考え始めていた。だけど、今は繁忙期で、早退や定時での帰宅は難しい。ましてや歯が痛い程度で休みを取るなど考えられなかった。週末は友人との約束を優先したいし、資格試験のテキスト代が意外とかさんでいて、時間も費用も惜しい。  そうやって自分を誤魔化し続けていたけれど、ある日ついに限界が訪れた。痛み止めが効かないくらい歯が痛くなったのだ。これはまずいと思い、会社を無理やり早退して歯医者に駆け込んだ。診断結果は想像どおり、むし歯。治療にはしばらく期間が必要で、歯周病も疑わしいため検査が必要らしい。今日治療が終わると思っていた私にはかなり痛手だった。  平日に予約をした時は、時間ぎりぎりに駆け込むこともあったが、できる限り治療の予定を優先した。むし歯の治療を進めてもらいながら、歯周病の検査を受けたところ、初期の歯周病と診断された。そういえば半年くらい前から、歯みがきで出血するようになっていたことを思い出す。 「歯周病って、もっと上の年齢の人がなるものですよね。恥ずかしいな」思わず呟いた私に、歯科衛生士さんは驚きの一言を放った。 「歯周病は、気が付いていないだけで20代や30代で既に進行している方も、とても多いんですよ」  歯周病は痛みがないまま進行し、歯ぐきから血が出たり、口臭の原因にもなるという。放っておくと歯を支えている骨が溶け、歯が抜ける病気で、しかも全身にも悪影響を及ぼし、様々な病気を悪化させるリスクがあるそうだ。私は、とても驚いたと同時に、いつ治るのか気になった。 「歯周病は完治が難しい病気ですが、定期的に受診することで、ある程度予防でき、進行を食い止めることができます。家庭でのセルフケアはもちろんですが、取り切れていない汚れや歯石取りなどの歯科医院で行う専門的なプロフェッショナル・ケアも大事です」  たまにメンテナンスを受けてリスクが減らせるなら受診したい。ただ、私には一つ懸念があった。自分の歯みがきに自信が無いのだ。どうやっているのかと聞かれても答えられないくらい適当なので、私自身がプロフェッショナル・ケアの効果を打ち消してしまうかもしれないと率直に伝えた。 「歯科医院に来ていただければ、セルフケアの不安なことも一緒に考えられます。その時のお口の状態に応じて、私もできるだけアドバイスさせていただきます。気軽に相談してくださいね」  それを聞いて、安心した。今回のことで歯の病気を甘く見ないようにしようと決意した私は、忘れずに次の予約を入れて帰宅した。体調はばっちりだ。来週の資格試験のために、今日は思い切り勉強しよう。

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