患者家族視点エピソード

がん対策 大腸がん検診 supported by 日経メディカル

 ご存じの通り、夫は59歳で勤めていた会社を早期退職し、以来4年悠々自適な生活を送っていました。毎年春に大腸がん検診で先生のところにお世話になっていて、昨年春にも伺おうと思っていたのです。ですが、昨年はなんとなくコロナが流行していて、外を出歩けず、行き損ねているうちにまた緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出て。

 夫はまだ昨年の春よりもコロナ感染者数が多く、ワクチンも打てていない状況で、「大丈夫だから検診に」と言っても、「病院なんて自宅よりも絶対にコロナにかかるリスクが高そう」ということで嫌がっていたんです。

 実は夫の友人Aが昨年末、コロナに感染し、死線をさまよいました。それから余計に出歩くのが怖くなったみたいです。Aはうちの夫婦よりも慎重な性格で、最初に関東で緊急事態宣言が出されて以降、外食どころか外出するのも週1度の買い物のときだけにしていたそうです。今でも「いつ感染したのか分からない」と言っているとか。

 ただ、少し前から、便秘があると言ったり、便の色が変わったりしているようなので、何かおかしいとは思っているんです。本人は「コロナの流行で生活が変わったからだ」と言っているのですが、どうもすっきりしなくて……。

 コロナが流行して以降、離れた地域に住む子や孫にはスマホごしでしか会えていません。コロナにかからないようにして、なんとか子や孫に直接会いたいなと思っています。実際に病院に来ると、コロナに感染するリスクが高いものなのでしょうか? 

 なるほど、今回、換気装置を増強されたんですね。そういえばこの透明のビニールも以前はありませんでした。えっ、病気の可能性がある? そのことを夫に伝えて、検診を受けさせようと思います。


――その後、夫婦で来院。検査で大腸がんが見つかった。幸運にも早期に発見できたことから、すぐに手術を行うことができ、寛解に繋げることができた。


 やっぱりつれてきて良かったです。検診の大切さを改めて認識しましたし、病院がどれだけ感染予防に気を遣っているのかもよく分かりました。



原作:日経メディカルOnlineより提供

日経メディカルから

コメント

新型コロナウイルス感染症の流行で、一般の方が何を怖がればいいのか判断できなくなってしまい、医療者と一般の方との距離が広がってしまったと感じています。マンガの力でぜひその距離を縮めてください。よろしくお願いします。